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文献詳細

雑誌文献

臨床外科62巻10号

2007年10月発行

文献概要

特集 肛門疾患診断・治療のコツと実際

―〔その他の肛門疾患〕―肛門掻痒症の診断・治療のコツと実際

著者: 黒水丈次1

所属機関: 1名戸ヶ谷病院消化器病センター外科

ページ範囲:P.1387 - P.1389

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要旨:肛門掻痒症とは肛門周囲を中心とした肛門部に慢性的なかゆみがある状態をいい,掻きむしりたくなる掻痒感が主訴である.一般的に,排便後や眠りに入る布団のなかで体が温まると掻痒感は増強する.老若男女を問わず人口の約5%に発生し,特に男性に多い.また,原因がはっきりしている続発性と,原因不明の特発性に分けられ,続発性は原因疾患と局所の治療を同時に行う.主にステロイド軟膏,抗真菌軟膏,抗生剤軟膏,抗ヒスタミン軟膏などが用いられる.特発性では石鹸の使用禁止,排便後のぬるま湯による肛門洗浄,肛門の刺激となる食物・飲料の禁止,肛門の乾燥,毎日の入浴と綿製下着の使用,十分な睡眠をとることなどが推奨される.

参考文献

1)Alexander-Williams J:Pruritus ani. Br Med J 287:159-160, 1983
2)Jones DJ:ABC of colorectal diseases. Pruritus ani. BMJ 305:575-577, 1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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