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特集 肛門疾患診断・治療のコツと実際
―〔その他の肛門疾患〕―化膿性汗腺炎の診断・治療のコツと実際
著者: 黒水丈次1
所属機関: 1名戸ヶ谷病院消化器病センター外科
ページ範囲:P.1390 - P.1391
文献購入ページに移動要旨:化膿性汗腺炎はアポクリン腺の開口する毛包が角栓形成などで閉塞され,そこに黄色ブドウ球菌などが感染して発生する汗腺炎である.慢性で再発性膿瘍を有し,瘻孔や洞形成,瘢痕化,多病巣性に周囲を巻き込むのが特徴で,女性では腋窩に,男性では肛門周囲や臀部に思春期以降に発症する疾患である.筋肉や筋膜の深部に及ぶ炎症は有痛性で膿性滲出液を伴う.炎症の増悪により排膿しては瘢痕化を繰り返し,拡大していく.根本的治療は外科的治療であり拡大切除が推奨されるが,30%前後の再発率を有し,長期観察が重要である.
参考文献
1)清水 宏:あたらしい皮膚科学.中山書店,2005,pp456-457
2)Mortimer PS, Lunniss PJ:Hidradenitis suppurativa. J R Soc Med 93:420-422, 2000
3)Harrison BJ, Mudge M, Hughes LE:Recurrence after surgical treatment of hidradenitis suppurativa. Br Med J 294:487-489, 1987
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