icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科62巻10号

2007年10月発行

文献概要

特集 肛門疾患診断・治療のコツと実際

―〔その他の肛門疾患〕―尖圭コンジローマの診断・治療のコツと実際

著者: 黒水丈次1

所属機関: 1名戸ヶ谷病院消化器病センター外科

ページ範囲:P.1393 - P.1395

文献購入ページに移動
要旨:尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルスの6,11型が原因となる性感染症である.患者の大部分は性活動の盛んな年齢層で,稀に成人を介して幼児に発症することもある.わが国での発症数は1999年では約3,200例だったのに対し,2004年には6,500例に増加し,しかも15~29歳では女性に多かった.淡紅色~褐色を呈する乳頭状,顆粒状の尖った隆起物が集簇的に増殖し,鶏冠状あるいはカリフラワー状となる.特徴的な形態のため視診で容易に診断がつくが,悪性病変の潜在もあるため,確定診断として原因ウイルスの証明と型の判定が必要である.治療法には外科的方法と薬物療法がある.細胞診で陰性になれば治癒であるが,発症までの時間を考えると治療終了後最低3か月は経過観察をして再発のないことを確かめる必要がある.

参考文献

1)神田忠仁:感染症の話―尖圭コンジローム.IDWR(感染症発生動向調査 感染症週報):10-12,2002
2)厚生労働省健康局結核感染症課,国立感染症研究所感染症情報センター:感染症発生動向調査事業年報,2004
3)Lipke MM:An armamentarium of wart treatment. Clin Med Res 4:273-293, 2006
4)Gall SA:Female genital warts:global trends and treatments. Infect Dis Obstet Gynecol 9:149-154, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?