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文献詳細

雑誌文献

臨床外科62巻10号

2007年10月発行

文献概要

外科の常識・非常識―人に聞けない素朴な疑問・46

「傷を濡らしてはいけない」は本当か

著者: 岡崎誠1

所属機関: 1市立伊丹病院外科

ページ範囲:P.1402 - P.1403

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はじめに

 傷を直接に消毒剤で消毒してはいけないことは最近,次第に認識されつつあるが1),それでは治癒するまで,あるいは抜糸するまで傷は水に濡らしてはいけないのであろうか.

 以下は外科外来でよくかわされている会話である.外傷などで縫合処置を受けた患者が「先生,お風呂に入ってもよいでしょうか?」.先生あるいは看護師さん曰く,「傷を濡らしてはいけません.お風呂は抜糸後にしてください」.かくして,患者は縫合処置を受けてから約1週間は入浴できないことになる.また,傷が化膿して治癒までが長引くと,延々と風呂に入れない.はたして一般に認知されている「傷を濡らしてはいけない」は本当なのであろうか.

参考文献

1)夏井 睦:傷に消毒は必要か.臨外 61:206-207,2006
2)竹之下誠一,大木進司,渡辺智恵子,他:一次縫合創に対するドレッシング.消外 26:751-756,2003
3)Heal C, Buettner P, Raasch B, et al:Can sutures get wet? Prospective randomized controlled trial of wound management in general practice. BMJ 332:1053-1056, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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