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文献詳細

雑誌文献

臨床外科62巻11号

2007年10月発行

文献概要

特集 癌診療に役立つ最新データ2007-2008 Ⅰ.総論

癌治療成績の算出と解析

著者: 名川弘一1

所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科腫瘍外科

ページ範囲:P.31 - P.36

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はじめに

 ここ20年ほどのパソコンの進歩と普及により,医療データの統計学的解析が容易となってきた.しかし,医学研究者にとって,その解析法の選択や意味するところ,ならびに解析結果の解釈については,必ずしも完全な理解が得られていないのが現状であろう.

 統計学の専門家を目指すのであれば,それぞれの統計解析手法について数式を用いた算出法を知っておくべきであろう.しかし,現在では便利なソフトが統計パッケージとして市販されているため,具体的な算出法よりもその統計解析の意味するところ,ならびに解釈を把握することのほうが重要である.このような背景から,本稿では医学研究者として知っておくべき統計学的事項の概念を中心に述べることとする.

 なお,統計パッケージとして市販されているものに株式会社ヒューリンクスのSYSTAT®,スタットソフトジャパン株式会社のSTATISTICA®などがある.いずれも各種検定から生存率解析まで手軽に使用できる.STATISTICA®,SYSTAT®のいずれもWindows対応である.

参考文献

1)富永祐民:治療効果判定のための実用統計学―生命表法の解説と臨床試験の実際.蟹書房,1994,pp95-99
2)浜島信之:多変量解析による臨床研究―比例ハザードモデルとロジスティックモデルの解説とSASプログラム.名古屋大学出版会,1993,pp65-78
3)浜田知久馬:学会・論文発表のための統計学―統計パッケージを誤用しないために.真興交易医書出版部,2001,pp167-182
4)橋本修二:標本の大きさ.宮原英夫,丹後俊郎(編);医学統計学ハンドブック.朝倉書店,1995,pp262-280
5)長島聖二:癌治療の臨床試験計画.西條長宏(監);臨床腫瘍研究最前線,No. 1.協和企画通信,1995,pp2-32

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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