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文献詳細

雑誌文献

臨床外科62巻11号

2007年10月発行

文献概要

特集 癌診療に役立つ最新データ2007-2008 Ⅴ.食道癌

食道癌の疫学に関する最新のデータ

著者: 畠山優一1 竹之下誠一2

所属機関: 1社会保険二本松病院外科 2福島県立医科大学第2外科

ページ範囲:P.139 - P.143

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 要旨:食道癌は他の癌に比べて症状の出現が受診動機となるため進行癌が多く,課題の多い悪性疾患である.本邦では毎年10,000人以上が罹患し,男性で約9,400人,女性で約1,700人が死亡している(男女比5.5:1).男女とも85歳以上に死亡率のピークがあり,高齢者の癌という特徴を有している.国内では秋田県,宮城県,東京都などで死亡率が高く,国際的には中国郡部で著明に多い.食道癌の発生には喫煙や頭頸部癌の既往が強く関与すると報告されている.将来的には女性で微増し,男性では増加すると試算されている.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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