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文献詳細

雑誌文献

臨床外科62巻12号

2007年11月発行

文献概要

特集 Up-to-Date外科医のための創傷治癒

消化管吻合と創傷治癒

著者: 加藤広行1 斉藤加奈1 安藤裕之1 桑野博行1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科病態総合外科学

ページ範囲:P.1529 - P.1533

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要旨:消化器外科領域における消化管吻合は大変重要な手術手技であり,術後縫合不全,吻合部狭窄などの術後早期の合併症や,消化管吻合に起因する摂食障害や便通障害などの長期にわたるquality of life(QOL)の低下に影響を及ぼすことがある.最適な消化管吻合法を選択・実践しなくてはならないことは周知のことであり,そのためには消化管吻合の創傷治癒過程を熟知することも必須である.近年は自動縫合器・吻合器などの手術器具の開発が著しく,様々な器械吻合が臨床の場で実施されており,手術時間の短縮などに有用であるが,その利点および欠点を十分に把握し,吻合法の手順を十分に熟知することも重要である.本稿では消化管吻合の種類,消化管吻合の創傷治癒過程,および器械吻合の実際について概説する.

参考文献

1)桑野博行,加藤広行:器械吻合手技の実際 頸部食道胃管吻合 器械吻合を用いた胸腔内食道胃管吻合.外科 61:830-833,1999
2)桑野博行,加藤広行:食道切除後の再建術 食道と消化管の吻合による再建法.消外 25:13-18,2002
3)丸山圭一:消化管吻合法の種類とその特徴.臨外 38:741,1983
4)寺島秀夫,福永 潔,大河内信弘:消化管吻合,血管吻合.桑野博行(編);卒後5年でマスターする消化器標準手術.メジカルビュー社,2006,pp29-37
5)平田敬治,小西鉄巳,上田優子,他:消化管吻合における吻合部創傷治癒の検討 吻合方法に関する比較検討.産業医大誌 22:1-6,2000
6)才川義朗,北島政樹,大谷吉秀,他:縫合・吻合法の実際 消化管吻合法の種類と吻合部創傷治癒.外科治療 88(増刊):487-492,2003
7)才川義朗,北島政樹,吉田 昌,他:創傷治癒からみた消化管器械吻合術.消外 29:295-300,2006
8)北郷邦昭,村上三郎,寺角匡弘,他:器械吻合創の治癒過程.消外 23:1509-1513,2000
9)平本義浩,恩田昌彦,木山輝郎,他:ブタを用いた消化管吻合治癒の実験モデル 胃全摘食道空腸器械吻合創の治癒過程と吻合部狭窄の発生.外科と代謝・栄 34:17-25,2000
10)徳永 昭,恩田昌彦,木山輝郎,他:消化管創傷治癒 消化性潰瘍修復および吻合創治癒.Connective Tissue 32:351-359,2000
11)前谷俊三,西川俊邦,長谷川正人,他:消化管の創傷治癒機転と器械吻合.外科 61:823-829,1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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