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文献詳細

雑誌文献

臨床外科62巻12号

2007年11月発行

文献概要

特集 Up-to-Date外科医のための創傷治癒

創傷治癒とsurgical site infection(SSI)

著者: 針原康1 小西敏郎1

所属機関: 1NTT東日本関東病院外科

ページ範囲:P.1545 - P.1551

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要旨:Surgical site infection(SSI)が発症すると創傷治癒は遅延し,その結果として入院期間の延長や医療費の増大をもたらし,患者の手術治療に対する満足度は著しく低下する.手術創の創傷治癒が順調に進むための条件はSSIを起こさないことである.SSIは術中の腸内細菌による汚染が原因となる場合が多いので,術野を汚染させない確実な手術操作が最も重要である.エビデンスに基づいたSSI防止対策を積極的に取り入れる必要がある.以前に行われていた皮下組織への消毒薬の塗布は創傷治癒を妨げる危険があるので行うべきではない.創感染が起こった場合には創の開放ドレナージ,デブリードマンと洗浄,タイミングのよい創の縫合閉鎖が創傷治癒のために重要である.

参考文献

1)US Department of health and human services, Public health service, Centers for Disease Control and Prevention:NNIS MANUAL. National Nosocomial Infections Surveillance system(Dec 2004)
2)森兼啓太,今井栄子(訳):サーベイランスのためのCDCガイドライン―NNISマニュアル(2004年版)より.メディカ出版,2005
3)小西敏郎,森兼啓太,西岡みどり,他:JNIS委員会報告 日本病院感染サーベイランスの試行.環境感染 15:269-273,2000
4)小林寬伊,小西敏郎,針原 康,他:Japanese Nosocomial Infections Sueveillance(JNIS)systemサーベイランスサマリー[No. 7,1998.11-2005.12].SSIサーベイランス研究会,2006
5)Harihara Y, Konishi T, Kobayashi H, et al:Effects of applying povidone-iodine just before skin closure. Dermatology 212(suppl 1):53-57, 2006
6)Mangram AJ, Horan TC, Pearson ML, et al:Guideline for prevention of surgical site infection, 1999. Hospital Infection Control Practices Advisory Committee. Am J Infect Control 20:250-278, 1999
7)針原 康,小西敏郎:SSI予防のための処置.日外感染症会誌 3:521-529,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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