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文献詳細

雑誌文献

臨床外科62巻12号

2007年11月発行

文献概要

特集 Up-to-Date外科医のための創傷治癒

褥瘡の管理とNST

著者: 大村健二1

所属機関: 1金沢大学医学部附属病院内分泌・総合外科

ページ範囲:P.1553 - P.1558

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要旨:褥瘡症例のほとんどは何らかの栄養学的問題を有する.さらに,低栄養や各種栄養素の欠乏は創傷治癒を妨げる主たる全身的因子である.したがって,褥瘡の治療に早期から栄養サポートチーム(NST)が参画する意義は大きい.NSTは褥瘡症例に対して適切な栄養アセスメントを施行し,低栄養の存在とその質的評価を行うことができる.ついで,個々の症例に適した栄養管理のプランニングを行い,至適な栄養投与量と栄養投与ルートを提案する.栄養管理中のモニタリングや合併症の対策についてもNSTは医療チームとしての威力を発揮する.さらに,褥瘡予防の観点から栄養学的リスクを有する症例へのNSTの適切な介入は効果的と考えられる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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