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文献詳細

雑誌文献

臨床外科62巻12号

2007年11月発行

文献概要

臨床報告・1

小腸造影検査が手術適応の決定に有効であった大網裂孔ヘルニアの1例

著者: 増子毅1 前田正光1 新妻義文1 石橋敦1 三島英行1 津久井一1

所属機関: 1総合病院水戸協同病院外科

ページ範囲:P.1627 - P.1630

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はじめに

 大網裂孔ヘルニアは比較的稀ながら,これまでに200例近い報告がある1).しかし,術前診断に特異的なものはなく,手術適応の決定も容易ではない.今回,小腸造影検査で手術適応を決定し腸管切除を回避できた大網裂孔ヘルニアの手術を経験したので報告する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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