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文献詳細

雑誌文献

臨床外科62巻2号

2007年02月発行

文献概要

特集 外科領域におけるインフォームド・コンセントと医療安全対策

食道外科におけるインフォームド・コンセントと医療安全対策

著者: 宇田川晴司1 堤謙二1 木ノ下義宏1 上野正紀1 峯真司1 江原一尚1

所属機関: 1虎の門病院消化器外科

ページ範囲:P.169 - P.173

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要旨:食道癌治療には,食道癌手術の合併症の発生率の高さ,手術関連死亡率の高さ,術後QOLの障害の大きさ,多様な治療方法の存在とエビデンスの欠如などの特徴があり,生命予後としての治療成績のみをもって手術方針を決定することが一概に妥当とは言えず,また異なった治療戦略間の成績の比較もきわめて困難である.そのため,ほかの疾患にも増してインフォームド・コンセントの重要性が高い.本稿ではこれら各点について概説を加え,さらに当院におけるインフォームド・コンセントの取得手順,セカンドオピニオンに対する対応,医療安全に対する基本姿勢などを示した.

参考文献

1)日本食道疾患研究会全国登録委員会:全国食道がん登録調査報告.p142,1998
2)Committee of Scietific Affairs:Thoracic and Cardiovascular Surgery in Japan during 2004, Annual report by the Japanese Association for Thoracic Surgery. Jpn J Thorac Cardiovasc Surg 54:363-386, 2006
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4)宇田川晴司,鶴丸昌彦,梶山美明,他:非再発例からみた食道癌切除再建術後の問題.日消外会誌 28:2052-2056,1995
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6)根本哲生,伊東干城,堀口慎一郎,他:治療成績からみた食道m3・sm癌の治療方針―外科手術例におけるリンパ節転移:病理の立場から.胃と腸 41:1416-1427,2006
7)鶴丸昌彦,梶山美明,岩沼佳見:胸部中部食道癌の外科手術.消化器病セミナー 99:161-173,2005
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9)Hironaka S, Ohtsu A, Boku N, et al:Nonrandomized comparison between definitive chemoradiotherapy and radical surgery in patients with T(2-3)N(any)M(0)squamous cell carcinoma of of the esophagus. Int J Radiat Oncol Biol Phys 57:425-433, 2003
10)Ishikura S, Nihei K, Ohtsu A, et al:Long-term toxicity after definitive chemoradiotherapy for squamous cell carcinoma of the thoracic esophagus. J Clin Oncol 21:2697-2702, 2003
11)日月裕司:サルベージ・サージャリー.消病セミナー 99:113-127,2005
12)大杉治司,竹村雅至:胸部中部食道癌の鏡視下手術.消病セミナー 99:175-184,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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