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文献詳細

雑誌文献

臨床外科62巻2号

2007年02月発行

文献概要

特集 外科領域におけるインフォームド・コンセントと医療安全対策

肝臓外科におけるインフォームド・コンセントと医療安全対策

著者: 井上和人1 高山忠利1 木村友紀1 山崎慎太郎1 森口正倫1 檜垣時夫1

所属機関: 1日本大学医学部消化器外科

ページ範囲:P.187 - P.192

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要旨:肝臓外科のインフォームド・コンセントは,複雑な疾患・治療概念を分かりやすく説明することが最も重要なポイントである.特に肝移植では,レシピエントだけでなくドナーの家族にも参加を促し,面談の機会を3回以上つくり,説明には文書を渡し,説明から同意の間には適切なインターバルをおく.治療の選択基準はガイドラインに従う.得意でない治療法や当該施設で不可能な治療法も等しく説明し,状況によっては他施設に紹介する.従来に比べ安全となったが侵襲は大きく危険性が高いため,治療後の合併症の説明も慎重に行う.医療安全のためには,技術集積性を高めプロトコールやクリニカルパスを用いたリスク回避策を積極的に導入することが肝要である.

参考文献

1)がん研究振興財団:がんの統計2005年版.がん研究振興財団,2005
2)Imamura H, Seyama Y, Kokudo N, et al:One thousand fifty-six hepatectomies without mortality in 8 years. Arch Surg 138:1198-1206;discussion 1206, 2003
3)日本肝移植研究会:肝移植症例登録報告.移植 40:518-526,2005
4)Donor morbidity and mortality of adult living donors for liver transplantation. Transplantation 15:115, 82(1 Suppl 2), 2006
5)前田正一,赤林 朗:インフォームド・コンセントの基本的な考え方.外科 68:497-501,2006
6)日本肝癌研究会:第17回全国原発性肝癌追跡調査報告(2002-2003).日本肝癌研究会,2006
7)科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン作成に関する研究班(編):科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン2005年版.金原出版,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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