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文献詳細

雑誌文献

臨床外科62巻2号

2007年02月発行

文献概要

臨床報告・1

遊離空腸採取後の吻合部を先進部とする腸重積の1例

著者: 川崎健太郎12 黒田大介1 白川幸代1 山本将士1 神垣隆1 黒田嘉和1

所属機関: 1神戸大学大学院医学系研究科消化器外科 2神戸大学大学院医学系研究科光学診療部

ページ範囲:P.263 - P.266

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はじめに

 腸重積のほとんどは幼少期に発症し,成人発症例は全腸重積の4~16%で比較的稀とされる1).成人の発症原因の80%は腫瘍,憩室,炎症などの器質的疾患であるが2),稀に術後の吻合部が原因になることがあり,成人腸重積の1.2~4.0%と報告されている3)

 今回,遊離空腸採取後の空腸空腸吻合部を先進部とする腸重積を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

参考文献

1)疋島 寛,川浦幸光,大村健二,他:成人腸重積症の検討.外科診療 32:1294-1298,1990
2)榎戸克年,大東誠司,竹井淳子,他:悪性腫瘍に起因した成人腸重積症の3例.日腹部救急医会誌 24:1163-1167,2004
3)成田 洋,船橋克明,吉富裕久,他:術後腸重積症について―成人の1症例報告ならびに成人および小児開腹術後腸重積症の対比.日臨外医会誌 52:2125-2131,1991
4)奥村権太,金子英彰,前田壽哉,他:胃切術後16年を経て肛側腸管が先進部となりY吻合部へ重積を起こした成人腸重積の1例.日消外会誌 32:2273-2277,1999
5)尾崎行男,牧野正人,池口正英,他:術後腸重積症の検討.外科診療 24:352-354,1982
6)田原裕之,黒田義則,倉西文仁,他:胃全摘後7年経過し発症した空腸輸入脚重積症の1例.日臨外会誌 63:358,2002
7)大村健二,金平永二,石田文生,他:遊離空腸片採取後に発生した腸重積症の4例.日消外会誌 26:2879-2882,1993
8)Guadagni S, Pistoia MA, Catarci M, et al:Surgical treatment of retrograde jejunogastric intussusception after temporary endoscopic management. Endoscopy 23:243-244, 1991
9)Saxena R, Kochhar R, Nagi B, et al:Non-surgical treatment of jejunogastric intussusception. Surg Endosc 2:88-91, 1988
10)成田 洋,船橋克明,吉富裕久,他:術後腸重積症について―成人の1症例報告ならびに成人および小児開腹術後腸重積症の対比.日臨外医会誌 52:2125-2131,1991

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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