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文献詳細

雑誌文献

臨床外科62巻2号

2007年02月発行

文献概要

臨床報告・1

原発性大網膿瘍の1例

著者: 小高雅人12 川村明廣2 岡上豊猛2 山本拓2

所属機関: 1医療法人薫風会佐野病院消化器センター 2医療法人川村会くぼかわ病院外科

ページ範囲:P.275 - P.277

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はじめに

 胆囊炎や大腸憩室炎など腹腔内の感染が原因で生じる大網膿瘍はしばしば経験するところであるが1),本症例のように腹腔内に原因となり得る感染を認めない原発性大網膿瘍はきわめて稀である.今回,われわれは原発性大網膿瘍を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

参考文献

1)前久保博士,洞田克己:Ⅰ炎症性疾患―網膿瘍.別冊 日本臨床 領域別症候群シリーズ―腹膜・後腹膜・大網・小網・横隔膜症候群.日本臨床社,1996,pp79-81
2)青木貴徳,鈴木茂貴,斉藤 晋,他:限局性の大網膿瘍の形成が感染性尿膜管囊胞の穿破と考えられた1例.北海道外科誌 44:40-43,1999
3)田中千弘,横尾直樹,浦 克明,他:尿膜管遺残組織の感染に起因したと考えられる大網内膿瘍の1例.日消外会誌 33:98-101,2000
4)山口昭浩,塚本賢治,清水義博,他:大網内膿瘍を形成し横行結腸狭窄を生じていた化膿性尿膜管遺残症の1例.京府医大誌 111:751-756,2002
5)並川 努,中村生也,近藤雄二,他:魚骨による胃穿通に続発した大網膿瘍の1例.日消外会誌 32:2553-2557,1999
6)頼永八州子,真下道重,小林浩和,他:骨盤腹膜炎の経過を呈したfusobacteriumによる大網膿瘍の一例.日産婦東京会誌 42:38-41,1993
7)Balthazar EJ, Lefkowitz RA:Left-sided omental infarction with associated omental abscess:CT diagnosis. J Comput Assist Tomogr 17:379-381, 1993
8)Lupovitch A, Andrew DM, Thomas FD:Primary abscess of the omentum. Am J Gastroenterol 85:1524-1526, 1990
9)山本一仁,木内博之,小川芳雄,他:魚骨による不顕性穿孔が原因と考えられた大網膿瘍の1例.日消外会誌 37:1761-1765,2004
10)松本 勲,高橋一郎,品川 誠,他:原発性大網膿瘍の1例.日消病会誌 95:547-550,1998
11)前野一真,小池祥一郎,中村俊幸,他:大網原発膿瘍の1例.日消病会誌 100:207-211,2003
12)辻本正之,中谷泰弘,山本雅敏,他:Peptostreptococcus spp.による原発性大網膿瘍の1例.感染症誌 70:512-515,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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