icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科62巻3号

2007年03月発行

文献概要

特集 術後呼吸器合併症―予防と対策の最新知識

無気肺

著者: 苅田真1 輿石義彦1 呉屋朝幸1

所属機関: 1杏林大学医学部外科(呼吸器・乳腺)

ページ範囲:P.349 - P.352

文献購入ページに移動
要旨:術後無気肺は気道内分泌物や血液,誤嚥物などによって発生し,特に重喫煙者や高齢者においては閉塞性肺炎を起こすことがあるので注意が必要である.患者の状態をよく把握して術後肺合併症の発生リスクを評価し,術前からネブライザーや理学療法を導入する.無気肺の早期発見のため,術後は胸部X線写真の些細な変化にも注意し,必要に応じて動脈血ガス検査を行う.治療は十分な鎮痛を施したうえで理学療法および痰の喀出を行うが,肺炎の発症が懸念される場合には抗生物質の多剤併用投与も考慮する.

参考文献

1)原田龍一:無気肺と肺炎の管理のコツ―胸部手術と腹部手術.呉屋朝幸(編);一般外科医のための呼吸器外科の要点と盲点.文光堂,2001,pp38-42
2)仲田 祐,新田澄郎,藤村重文,他:肺機能からみた肺切除の適応限界の設定.日呼外会誌 1:1-11,1987
3)佐野裕子,森沢知之:肺切除術後の理学療法.理学療法 22:1304-1310,2005
4)古賀奈美,内 昌之,松島恵理,他:肺葉切除術前後に理学療法を施行した原発性肺癌の5症例.理学療法:進歩と展望 18:20-23,2004
5)田畑俊治,佐久間勉,小野貞文,他:肺切除後のピークフロー値の変化と硬膜外麻酔の影響.日呼外会誌 9:505-509,1995
6)岡崎 強:無気肺.松島敏春,江口研二,桑原正喜(編);明解 画像診断の手引き 呼吸器領域編―パターン分類による画像診断.国際医学出版,2003,pp42-48

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?