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特集 癌診療ガイドラインの功罪
食道癌診断・治療ガイドラインの評価
著者: 藤田博正1
所属機関: 1久留米大学医学部外科
ページ範囲:P.469 - P.476
文献購入ページに移動要旨:『食道癌治療ガイドライン』(2002年)の評価に関するアンケート結果に基づき,当ガイドラインの有用性と問題点を述べた.特に問題点については総論的批判と各論的批判があり,総論的批判については医療に関する重要な課題であり,専門分野を越えて医師全体が考え行動することが求められる.各論的批判の多くは,改訂版『食道癌診断・治療ガイドライン』(2007年)で解消されている.しかし,食道癌の病態的特性あるいはその治療が外科に偏在してきたためかもしれないが,エビデンスや推奨度において満足できるものではない.食道癌診療に携わる者の課題は大きい.
参考文献
1)日本食道疾患研究会(編):食道癌治療ガイドライン.金原出版,2002
2)日本食道学会(編):食道癌診断・治療ガイドライン(案).日本食道学会食道癌診断・治療ガイドライン検討委員会,2006
3)李 啓充:市場原理が医療を亡ぼす―アメリカの失敗.医学書院,2004
4)中山健夫:診療ガイドライン作成・活用ガイド.外科 68:125-137,2006
5)津谷喜一郎,長澤道行:医師と診療ガイドライン―“professional autonomy”の視点から.日医雑誌 129:1793-1803,2003
6)Allum WH, Griffin SM, Watson A, et al:Guidelines for the management of oesophageal and gastric cancer. Gut 50(Suppl Ⅴ):1-23, 2002
7)Goodnight J, Venook A, Ames M, et al:Practice guidelines for esophageal cancer. Cancer J Sci Am 2(Suppl):37-43, 1996
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