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文献詳細

雑誌文献

臨床外科62巻4号

2007年04月発行

文献概要

特集 癌診療ガイドラインの功罪

アンケート調査からみた肝癌診療ガイドラインに対する一般医(非専門医)の認識とガイドラインの問題点

著者: 佐々木洋1 山田晃正1 石川治1 今岡真義1 永野浩昭2 中野博史3 清水潤三4 大里浩樹5 國土典宏6

所属機関: 1大阪府立成人病センター消化器外科 2大阪大学大学院医学系研究科消化器外科 3東大阪市立総合病院外科 4市立豊中病院外科 5市立堺病院外科 6東京大学大学院医学系研究科肝胆膵・移植外科

ページ範囲:P.491 - P.498

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要旨:一般病院診療医(以下,勤務医)と個人診療医(以下,開業医)を対象として,肝癌診療ガイドラインの認識度と有用性に関するアンケート調査を行った.結果は以下のとおりである.(1)ガイドラインの存在を知っている医師は勤務医では74%であったが,開業医では48%に過ぎなかった,(2)ガイドラインは日常の診療において役立っているという意見は,役立っていないという意見を上回った,(3)ガイドラインにより治療方針に変化があったという意見は,変化がなかったという意見を上回ったが,その変化として「推奨をより強く進めるようになった」(開業医40%,勤務医48%)という意見が最も多かった,(4)ガイドラインが医師の裁量を拘束するという意見としないという意見はほぼ同数であったが,医療訴訟が増えるという意見は,増えないという意見を上回った,(5)開業医,勤務医ともにEBMの重要性を十分認識しているが(開業医74%,勤務医86%),日常診療へのEBMの取り入れ方は勤務医のほうが高い(開業医56%,勤務医82%).

参考文献

1)科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン作成に関する研究班(編):肝細胞癌治療アルゴリズムの解説.科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン2005年版.金原出版,2005,pp10-11
2)Arii S, Yamaoka Y, Futagawa S, et al:Results of surgical and nonsurgical treatment for small-sized hepatocellular carcinoma:a retrospective and bationwide survey in Japan. Hepatology 32:1224-1229, 2000
3)Chen MS, Li JO, Zheng Y, et al:A prospective randomized trial comparing percutaneous local ablative therapy and partial hepatectomy for small hepatocellular carcinoma. Ann Surg 243:321-328, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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