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文献概要
外科の常識・非常識―人に聞けない素朴な疑問・40
陥入爪に抜爪は必要か
著者: 大島秀男1 池井聡2
所属機関: 1国立病院機構熊本医療センター形成外科 2国立病院機構熊本医療センター外科
ページ範囲:P.517 - P.519
文献購入ページに移動陥入爪は爪甲先端や側縁が周囲の軟部組織に食い込み,疼痛,圧痛,腫脹など局所の炎症をきたした状態であり,ときに感染して膿瘍,肉芽を形成することがある.母趾に好発するが,ほかの足趾,手指に発症することもある.陥入爪は先天性または後天性爪甲変形,不適切な爪切り・抜爪,白癬菌などの感染症,不適合な靴の着用などが原因で発症する.いったん爪甲が爪溝・爪縁郭にめりこんで外傷が生じると,炎症によって爪縁郭は腫脹し,爪甲のめりこみがさらに強くなって症状は悪化する.したがって,陥入爪の予防にはいわゆる深爪を止めて適切な爪切りによって爪棘をつくらないようにすることと,履物はつま先に余裕にあるものをはくようにし,足趾を圧迫しないように注意することが求められる.
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