icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科62巻5号

2007年05月発行

文献概要

カラーグラフ 診療に役立つ肉眼像と組織像の理解―マクロからミクロ像を読む・18

大腸良性疾患―炎症性腸疾患

著者: 杉田昭1 小金井一隆1 木村英明2 山田恭子1 二木了1 福島恒男3 鬼頭文彦1

所属機関: 1横浜市立市民病院外科 2横浜市立大学附属市民総合医療センター難病医療センター 3松島クリニック

ページ範囲:P.589 - P.597

文献購入ページに移動
はじめに

 大腸良性疾患には腫瘍性病変と非腫瘍性病変がある.後者では炎症性腸疾患が多くを占めることから,本稿では近年,増加傾向のある炎症性腸疾患について述べる.

 炎症性腸疾患には感染性腸炎,薬剤,膠原病,血流障害による腸炎,非特異性腸炎などが含まれる.本稿では非特異性腸炎のうち,近年,増加して日常診療で診察する機会の増えた潰瘍性大腸炎,Crohn病をはじめとして,単純性潰瘍,直腸粘膜脱症候群,鑑別診断として重要なアメーバ性大腸炎について肉眼所見と組織所見を検討する.

参考文献

1)棟方昭博:潰瘍性大腸炎治療指針改訂案.厚生省特定疾患難治性炎症性腸管障害調査研究班.平成9年度研究報告書.1998,pp96-99
2)八尾恒良:Crohn病診断基準改訂案.厚生省特定疾患難治性炎症性腸管障害調査研究班.平成6年度研究報告書.1995,pp63-66
3)若狭治毅,石川秀雄:クローン病の病理.消化器科1:459-468,1984
4)Schachfer H, Kirsner JB:Crohn's Disease of Gastrointestinal Tract(Clinical Gastroenterelogy Series). John Wiley & Sons Inc. New York, 1980, p110
5)Morson BC, Dawson IMP:Gastrointestinal Pathology. Blackwell Sci, Oxford., London, Edinburgh & Melborurene, 1979
6)山形敬一:大腸クローン病の診断基準.内科Mook 14:147,1980
7)武藤徹一郎:いわゆる“Simple ulcer”とは.胃と腸 14:739-748,1979
8)渡辺英伸,遠城寺宗知,八尾恒良,他:回盲弁近傍の単純性潰瘍の病理.胃と腸 14:739-748,1979
9)杉田 昭,福島恒男:小腸の単純性潰瘍.医学のあゆみ 別冊 消化器疾患state of arts:p371-373,1994
10)Nicholls RJ, et al:Rectal prolaps and solitary ulcer syndrome. Surgery of Coln and rectum. Churchill Livingstone, 1997, p709
11)山名哲郎,岩垂純一:骨盤底支持組織ならびに排便の機能障害mucosal prolaps syndrome.臨床消化器内科 15:1089-1093,2000
12)小西文雄,斎藤幸夫,片岡 孝,他:孤立性直腸潰瘍性症候群における手術的治療.手術 47:1429-1434,1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?