icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科62巻5号

2007年05月発行

ひとやすみ・20

手術と職人技

著者: 中川国利1

所属機関: 1仙台赤十字病院外科

ページ範囲:P.734 - P.734

文献概要

 和菓子職人は,握った感覚で皮や餡の分量を瞬時に決め,いちいち秤を用いて測定したりはしない.しかしながら,造られた和菓子の大きさは一定であり,個々の重量もほぼ同じである.また,某牛丼屋のマニュアルでは,丼に盛り付ける牛肉の量は85gが適量であり,90gを超えても80g以下でもいけない.杓子を回すことによって,肉の量を一定に保つ技が要求される.どの世界でも達人と称される職人は,永年にわたる努力によってのみ会得できる巧みな技を持っているものである.

 ところで,外科医の仕事は何であろうか.日本では単に手術するだけではなく,術前検査,周術期の全身管理,術後の癌化学寮法など,種々の仕事が外科医には要求されている.しかし,外科医本来の仕事はやはり手術である.すなわち,病巣を切除してquality of lifeの高い生活を過ごせるように努めることが最大の職務である.さらに,個々の患者さんにエビデンスに基づいた最適な手術を的確に,そして素早く行う必要がある.そのためにはつねに最新の知識を取り入れるとともに,技術の習熟に努める必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら