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文献詳細

雑誌文献

臨床外科62巻6号

2007年06月発行

文献概要

臨床報告・1

肺癌術後遅発性肺瘻に対してPTCDチューブによるドレナージとフィブリン糊の使用にて軽快した1例

著者: 齋藤学1 高砂敬一郎1 吉田和夫2

所属機関: 1伊那中央病院呼吸器外科 2信州大学医学部呼吸器外科

ページ範囲:P.841 - P.844

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はじめに

 肺切除後の遅発性肺瘻はときに遭遇する合併症の1つである.肺瘻が長期化すると,膿胸に移行することがあるため,すみやかなドレナージが必要である1)

 しかしながら,術後の癒着などのためドレナージ部位が制限されたり,挿入が困難な場合がある.今回,肺区域切除後,半年が経過して遅発性肺瘻をきたした症例に対し,Percutaneous Transhepatic Cholangiodrainage Set(以下,PTCD)を用いてドレナージ後,フィブリノゲン加第XIII因子(以下,フィブリン糊)を注入し軽快した症例を経験したので報告する.

参考文献

1)正岡 昭(監修),藤井義敬(編):呼吸器外科学,改定3版.南山堂,2003,pp363-371
2)Light RW:Parapneumonic effusions and empyema. Clin Chest Med 6:55-62, 1985
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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