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文献詳細

雑誌文献

臨床外科62巻6号

2007年06月発行

文献概要

臨床報告・1

一期的に腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した気腫性胆囊炎の1例

著者: 高倉有二1 中谷玉樹1 高橋忠照1 貞本誠治1 豊田和広1 池田昌博1

所属機関: 1東広島医療センター外科

ページ範囲:P.849 - P.852

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はじめに

 腹腔鏡下胆囊摘出術(laparoscopic cholecystectomy:以下,LC)は低侵襲であり,現在の胆囊摘出術の標準術式となっている.最近では急性期の胆囊炎に対しても保存的療法を行うことなく積極的に腹腔鏡下手術が施行されている.しかしながら,急性胆囊炎の特殊型である気腫性胆囊炎においては,全身状態が不安定であること,また,手術手技の困難さなどから開腹手術もしくは緊急回避的な経皮経肝胆囊ドレナージ(percutaneous trans-hepatic gall bladder drainage:以下,PTGBD)が選択されることが多い1).今回,われわれは急性期の気腫性胆囊炎に対して一期的にLCを施行した症例を経験したので報告する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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