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文献詳細

雑誌文献

臨床外科62巻7号

2007年07月発行

臨床報告・1

外科的治療によって猪瀬型肝性脳症,食道静脈瘤,耐糖能障害が改善した肝硬変症の1例

著者: 川崎誠康12 仲成幸2 塩見尚礼2 来見良誠2 亀山雅男1 谷徹2

所属機関: 1ベルランド総合病院外科 2滋賀医科大学消化器外科

ページ範囲:P.983 - P.986

文献概要

はじめに

 猪瀬型肝性脳症1)に対し,門脈-胃静脈-食道静脈瘤経路の短絡路を外科的に結紮した結果,血中アンモニア値が正常化し,肝性脳症の消失・食道静脈瘤の軽減ならびに耐糖能障害の改善を認めた症例を経験した.本稿では,外科的治療の有用性を考察し報告する.

参考文献

1)猪瀬 正:肝脳変性疾患の一特殊型.精神誌 51:245-271,1950
2)森脇久隆:肝性脳症に対するBCAA(分岐鎖アミノ酸)・グルコースの治療効果.医のあゆみ 209:288-292,2004
3)水野崇志,高 済峯,小林豊樹,他:上腸間膜静脈瘤を介した門脈-大静脈シャントの外科的遮断により軽快した猪瀬型肝性脳症の1例.日消外会誌 35:161-165,2002
4)浜崎啓介,折田薫三:門脈大循環短絡症.日本臨床別冊 肝胆道系症候群肝臓編(下巻).日本臨床社,1995,pp243-247
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6)本田 実,松浦克彦,関山和彦:バルーン下逆行性静脈的塞栓術の治療成績と合併症の検討.臨放 49:535-541,2004
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8)坂東 正,津田裕子,岸本浩史,他:食道胃静脈瘤の長期予後 治療後10年以上経過症例の検討.日門亢症会誌 7:218-222,2001
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10)真々田裕宏,恩田昌彦,田尻 孝,他:開存した傍臍静脈閉鎖術が有効であった猪瀬型肝性脳症の3例.日消外会誌 26:899-903,1993
11)村上重人,戸田剛太郎:肝硬変の病態と治療(合併症を含む).Annual Review消化器 2001:262-268,2001
12)服部 健,矢崎正英,中村昭則,他:外科的な血管結紮により高アンモニア血症,耐糖能障害が改善した門脈大循環短絡に伴う肝性脳症(猪瀬型)の1例.神経内科 56:173-178,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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