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文献詳細

雑誌文献

臨床外科62巻8号

2007年08月発行

文献概要

臨床報告・1

Brunner腺腫の癌化により発生したと考えられた早期十二指腸癌の1例

著者: 小林達則1 上川康明1 上山聰1 里本一剛1 池田義博1 荻野哲也2

所属機関: 1三原赤十字病院外科 2三原赤十字病院病理

ページ範囲:P.1117 - P.1122

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はじめに

 原発性十二指腸癌は比較的稀な疾患であり,その発生母地に関しては議論が多く,十二指腸腺腫の癌化,十二指腸粘膜よりのde novo発生,Brunner腺腫の癌化,迷入膵や迷入胃粘膜の癌化などの説があるが,明らかでない場合が多い1)

 今回,われわれは十二指腸第1部にⅡa+Ⅱc型の低分化早期十二指腸癌の1例を経験し,病理組織学的検討によりBrunner腺腫からの発癌と考えられたので,文献的考察を加えて報告する.

参考文献

1)両角敦郎,藤野雅之:十二指腸腫潰瘍および腫瘍性病変―文献的考察.胃と腸 28:621-625,1993
2)竹腰隆男,馬場保昌,舟田彰,他:十二指腸悪性腫瘍の内視鏡診断.胃と腸 8:1609-1623,1973
3)村上忠重:十二指腸癌.木本誠二(監):現代外科学大系第35巻B.胃・十二指腸.中山書店,1971,308-313
4)中村二郎,吉田経雄,滝澤戸登一郎:胃型形質を示した早期十二指腸癌の1例.Gastroenterol Endosc 42:1078-1083,2000
5)中山善文,門脇康二,永田直幹,他:陥凹型早期十二指腸癌の1例.日消外会誌 33:477-481,2000
6)藤澤貴史,友藤喜信,黒田信稔,他:腺管絨毛腺腫を伴う早期十二指腸癌の1例―本邦報告例249例の臨床病理学的検討.Gastroenterol Endosc 37:2768-2775,1995
7)味岡洋一,渡辺英伸,成沢林太郎,他:十二指腸の腫瘍・腫瘍様病変の病理.胃と腸 28:627-638,1993
8)中山 淳,勝山 努:腫瘍と粘液.医のあゆみ 144:796-800,1988
9)荒井正彦,牛丸博泰,今井康晴,他:Brunner腺由来と考えられた早期十二指腸癌の1例.Gastroenterol Endosc 40:1872-1878,1998
10)篠原 剛,寺崎正起,久納孝夫,他:腺腫内癌の形態を呈した十二指腸ブルンネル腺癌の1例.日消外会誌 33:338-341,2000
11)Itsuno M, Mkiyama K, Omagari K, et al:Carcinoma of duodenal bulb arising from the Brunner's gland. Gastroenterol Jpn 28:118-125, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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