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外科医局の午後・35
外科医の減少
著者: 岡崎誠1
所属機関: 1市立伊丹病院外科
ページ範囲:P.1263 - P.1263
文献購入ページに移動 昨今,医師不足が大いに話題になっている.産婦人科や小児科をはじめとしてリスクの大きい外科系,麻酔科などが中心である.この話題は本年度の日本外科学会定期学術集会でも大きく取り上げられた.このまま移行すれば,あと10年くらいのうちには新たに外科医になろうとするものが限りなくゼロに近くになってしまうのではないかという危惧があるらしい.このようにリスクの大きい科を中心に医師不足が進む背景には,3年前から開始された新臨床研修制度が原因の1つであるということもすでにあちらこちらで指摘されている.医師不足は地方の病院から始まり,現在では都会でも一部の人気のある病院を除く自治体病院や個人病院でも急速に医師不足が進行している.新臨床研修制度に参加した研修医達が外科の厳しい現状を直接体験して,よけいに外科には行きたくないという人達が多いそうである.
今まで病院は○○大学系列あるいは○○医局系列などと決められ,同じ大学,同じ科(特に内科や外科などの所帯が大きい科)でも第1や第2と称して区別してきた.私の出身大学では昔から第1が主に心臓血管外科,第2が消化器外科および内分泌外科が主であったが,ともに関連病院へ出張すれば消化器・乳腺が疾患の中心になり,同じ疾患を違う科が取り扱うといった不合理なことが生じていたのである.
今まで病院は○○大学系列あるいは○○医局系列などと決められ,同じ大学,同じ科(特に内科や外科などの所帯が大きい科)でも第1や第2と称して区別してきた.私の出身大学では昔から第1が主に心臓血管外科,第2が消化器外科および内分泌外科が主であったが,ともに関連病院へ出張すれば消化器・乳腺が疾患の中心になり,同じ疾患を違う科が取り扱うといった不合理なことが生じていたのである.
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