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文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻1号

2008年01月発行

文献概要

特集 機能温存手術のメリット・デメリット

肝腫瘍に対する機能温存手術のメリット・デメリット

著者: 小寺由人1 片桐聡1 山本雅一1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター外科

ページ範囲:P.45 - P.49

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要旨:慢性肝炎やアルコール性肝炎,肝硬変合併の肝細胞癌に対して残肝機能を温存するためには,区画単位の切除術(亜区域より小さな系統的肝切除術)や静脈還流不全による肝機能低下を防ぐため静脈走行に留意することなどの工夫が必要である.残肝機能の予測にはICG 3点法によるICG R 15値と予想残肝体積値を用いて残肝ICG値を予想することで許容肝切除量を求めることができる.背景肝が正常肝の場合は,残肝ICG R 15値が50%を,硬変肝の場合は40%を超えなければ切除することが可能と判断できる.しかし,肝細胞癌の転移様式が経門脈的経路をたどることを考慮すると,根治性を高めるうえでは確実な系統的切除が必要となり,背景肝の肝機能および残肝機能を予測し,切除術式を工夫することで肝機能を温存しつつ根治性を高めた手術を行うことができる.

参考文献

1)山本雅一,桂川秀雄,片桐 聡,他:肝細胞癌治療のプロトコール.臨外 60:145-150,2005
2)Takasaki K:Glissonean pedicle transaction method for hepatic resection:a new concept of liver segmentation. J Hepat Bil Pancreat Surg 5:286-291, 1998
3)高崎 健,山本雅一:肝細胞癌の治療法と適応.コンセンサス癌治療 2:154-157,2003
4)高崎 健,山本雅一,大坪毅人:肝細胞癌に対する治療戦略の工夫.癌の臨 50:867-872,2004
5)竜 崇正,趙 明浩,高山 亘,他:新しい肝区域概念に基づいた肝前腹側上亜区域切除.手術 57:727-730,2003
6)高崎 健:小肝細胞癌の治療方針.消外 18:437-441,1995
7)Yamamoto M, Takasaki K, Ohtsubo T, et al:Effectiveness of systemized hepatectomy with Glissn's pedicle transaction at the hepatic hilus foe small nodular hepatocellular carcinoma:retrospective analysis. Surgery 130:443-448, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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