臨床外科63巻1号

2008年01月発行

臨床報告・1

食道癌肉腫に胃癌，直腸癌を合併した同時性3重複癌の1手術例

著者： 白石治¹ 石川真平² 北野義徳² 亀山雅男²

所属機関： ¹近畿大学医学部外科 ²ベルランド総合病院外科

ページ範囲：P.127 - P.130

はじめに

　近年，高齢化による癌患者の増加と診断・治療成績の向上によって重複癌症例は増加している．とは言え，食道，胃，直腸同時性3重複癌は比較的稀である．

　今回，全食道癌の約0.2～0.3％と稀な食道癌肉腫を含む同時性3重複癌を経験したので^1），文献的考察を加え報告する．

参考文献

1）食道疾患研究会（編）：食道疾患レアケース・アトラス．第1版．医学書院，1999，pp184-187

2）Virchow R：Die Krankhaften Geschwulste, Geschwu-lste.vol. 2. Berlin, A Hirschwald, 1864, pp181-182

3）食道疾患研究会（編）：食道癌取扱い規約．第9版．金原出版，1999，pp44-45

4）市川和人，曽我敏彦，村田哲也，他：食道癌肉腫の1例―本邦147報告例の臨床病理学的検討．三重医 37：485-489，1993

5）下田忠和，落合淳志：癌肉腫．『胃と腸』編集委員会（編）；胃と腸用語事典．医学書院，2002，pp179

6）濱辺　豊，佐藤美晴，小谷陽一，他：肉腫様成分を伴った食道癌について自験例5例と癌肉腫・偽肉腫としての本邦報告例63例の検討．外科治療 52：255-264，1985

7）北川雄光，小澤壯治，北島政樹：食道癌の治療に関する最新のデータ．臨外 57（増刊号）：113-121，2002

8）竹村雅至，大杉治司，高田信康，他：食道癌肉腫の3切除例の予後因子の検討．日臨外会誌 62：659-664，2001