icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻10号

2008年10月発行

特集 鼠径ヘルニアの治療NOW―乳幼児から成人まで

鼠径ヘルニア手術のクリニカルパスとコスト

著者: 伊藤契1 針原康1

所属機関: 1NTT東日本関東病院外科

ページ範囲:P.1391 - P.1397

文献概要

要旨:クリニカルパスは,手術をはじめ多くの医療行為において運用されている.その理解と実践に当たって,パスの成り立ち,「標準化」とパスの目指すところ,「医療内容の質」を理解しなければいけない.

 当科では鼠径ヘルニア手術パスとして,患者ニーズに合わせ,入院期間に3つのコースを設けた「お好みメニュー」を電子カルテ上で運用している.内容は無駄を省いた手術集中のパスとなっている.本稿では,パスの注意点についても指摘した.パスはコスト管理と直結している.パスとコストについて考察しつつ,当科でのパスのコストに言及した.

 DPC導入の現実のなかで,パスはコストを意識しつつも,その本来の目的である患者管理と医療の質の管理を課題とすべきであると考えた.

参考文献

1)深谷 卓:医師にとってのクリニカルパスとは.小西敏郎,阿川干一郎,深谷 卓他(編);医師とクリニカルパス―臨床各科の実際例.医学書院,2000,pp1-5
2)伊藤 契:胆石.小西敏郎,阿川干一郎,深谷 卓(編);医師とクリニカルパス―臨床各科の実際例.医学書院,2000,pp72-90
3)伊藤 契,小西敏郎:患者が選択する鼠径ヘルニア手術治療.オペナーシング 17:55-62,2002
4)伊藤 契:局所麻酔下鼠径ヘルニア手術―膨潤麻酔法(Tumescent anesthesia)の紹介.名川弘一,鶴丸昌彦,永井秀雄(編);「手術」別冊シリーズ 最新アッペ・ヘモ・ヘルニア・下肢バリックスの手術,改訂第2版.金原出版,2005
5)芳賀克夫:DRGとクリニカルパス.小西敏郎,武藤正樹(編);外科クリニカルパスの実際―導入から評価まで.金原出版,2002,pp14-18
6)Spath PL:Clinical Paths:Tools for Outcomes Management. Chicago, American Hospital Publishing, 1994, pp29-31

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら