文献詳細
文献概要
外科診療に潜むピットフォール―トラブル回避のためのリスクマネジメント講座・7
PEG交換後の腹膜炎
著者: 山本貴章1
所属機関: 1東京海上日動メディカルサービス株式会社
ページ範囲:P.1405 - P.1409
文献購入ページに移動 経皮的内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy:PEG)は開腹手術をせずに胃瘻を作製できるため,その安全性,低侵襲性から世界的に急速に広まった手技です1).施設のなかには中心静脈栄養カテーテルの管理が必要な患者は受け入れないが,胃瘻の患者は受け入れるという施設も多く,入所のためというあまり感心しない理由で胃瘻が作製されることも珍しくありません.胃瘻チューブには様々なタイプがありますが,いずれの場合も造設から半年程度で交換が必要になります.作製時と同様に内視鏡で確認しながら交換すればよいのですが,実際には在宅や施設で交換されることも多く,内視鏡や透視を使用せず盲目的に交換されることのほうが多いようです.チューブの交換は単純な手技ではありますが,見えないところへチューブを挿入するわけですから,その先端が胃内にあることを確認する確かな方法がないため,瘻孔を破損してチューブが腹腔内(胃外)に留置されてしまう「チューブ逸脱事故」が高頻度に発生して問題となっています.そのまま栄養剤が注入されると重篤な腹膜炎になってしまいますが,もともと全身状態の悪い患者が多いわけですから患者死亡につながる危険性も高くなります.
今回は,胃瘻交換に失敗してチューブが腹腔内に留置されてしまった2症例を紹介します.1例目は患者が死亡してしまったケース,2例目は患者を救命できたケースです.その「失敗」と「成功」の分岐点を探ってみることにしましょう.
今回は,胃瘻交換に失敗してチューブが腹腔内に留置されてしまった2症例を紹介します.1例目は患者が死亡してしまったケース,2例目は患者を救命できたケースです.その「失敗」と「成功」の分岐点を探ってみることにしましょう.
参考文献
1)NPO法人PEGネットワーク.http://www.peg.or.jp
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