icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻11号

2008年10月発行

特集 肛門疾患診療のすべて

5.痔核 内痔核

内痔核の分類

著者: 黒川彰夫1 木附公介1 下谷麻里子2

所属機関: 1黒川梅田診療所 2下谷内科肛門科

ページ範囲:P.81 - P.87

文献概要

要旨 痔核は肛門疾患のうち最も多い疾患であるが,最近になって治療面で発想の異なった新しい方法が実施され,標準的治療に大きな混乱をもたらしている.しかし,今日まで痔核の治療はGoligher分類に準拠して実施されている.Goligher分類は普遍性のある優れた分類であると思われる.ただし,内痔核の病変をより正確に知るためには,痔核の大きさや痔核の占める範囲,痔核が血管性か粘膜性か,そして急性期か慢性期かを正確に判断する必要がある.

 Goligher分類にもいくつかの疑問点はあるが,初心者でも病変が理解しやすい分類である.病期の分類は普遍的で簡便なものが理想である.その意味からGoligher分類は応用の利く優れた内痔核分類であろう.

参考文献

1)岩垂純一:肛門疾患診療の現況と展望.岩垂純一(編);実地医家のための肛門疾患診療プラクティス.永井書店,2000,pp1-16
2)岩垂純一:痔核治療法の適応と限界.日本大腸肛門病会誌 56:785-790,2003
3)黒川彰夫,木附公介:痔核の標準治療と最新治療.外科治療 96:120-126,2007
Goligher JC;Surgery of the Anus, Rectum and Colon. 5th ed. London, WB Saunders, 1984, pp1-47
5)黒川彰夫:痔核の治療に必要な肛門管の解剖.消外 28:271-276,2005
6)Thomson WH:The nature of hemorrhoids. Br J Surg 62:542-552, 1975
7)荒川広太郎:直腸肛門脱.外科診療 15:1443-1450,1973
8)進藤勝久:アトラスで見る肛門疾患の治療 直腸肛門脱の治療.消外 20:381-388,1997
9)黒川彰夫,木附公介,黒川幸夫:直腸肛門脱の病態と治療.外科治療 80:322-326,1999
10)Graham-Stewart CW:What causes hemorrhoids?. A new theory of etiology. Dis Colon Rectum 6:333-344, 1963
11)黒川彰夫:Hematocheziaの内視鏡像 痔出血.消内視鏡 19:83-89,2007
12)黒川彰夫,木附公介,黒川幸夫,他:嵌頓痔核の手術.手術 49:813-818,1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら