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文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻11号

2008年10月発行

特集 肛門疾患診療のすべて

5.痔核 内痔核

内痔核の保存療法

著者: 平田雅彦1

所属機関: 1平田肛門科医院

ページ範囲:P.89 - P.99

文献概要

要旨 内痔核は成人の約8割が罹患している疾患である.また,内痔核は生活習慣病と定義される.そのため,内痔核の治療は生活指導を中心として保存的に行い,手術をせずに内痔核と患者が共存できる道を探るべきである.実際,欧米の内痔核の手術率は10%以下である.内痔核を発生させ,かつ悪化させる原因となる生活習慣を検証し,その1つ1つを改善するという地道な治療が求められる.正すべき生活習慣は(1)排便の異常(便秘と下痢),(2)肉体の疲れ,(3)精神的ストレス,(4)長時間の座業,(5)生理,(6)体の冷え,(7)飲酒などが挙げられる.生活指導と適切な薬剤の使用により,初診から3か月で87%の患者は手術せずに内痔核と共存できる.

参考文献

1)Gohn Nicholls,Richard Glass:大腸肛門病学―診断および外来における処置.シュプリンガー・フェアラーク東京,1987,p75
2)Haas PA, Haas Gp, Schmaltz S, et al:The prevalence of hemorrhoids. Dis Col Rectum 26:435-439, 1983
3)小金澤 滋:図解 切らずに治す痔の安心読本―痛くない最新の治療法と生活の注意.主婦と生活社,1995,p23
4)平田雅彦:内痔核のセルフケアについて.日本大腸肛門病会誌 54:745,2001
5)片本哲郎:便秘症の日常生活指導.診断と治療 89:438-439,2001
6)平田雅彦:内痔核の生活指導・小麦外皮のシリアルを使用した便秘指導.日本大腸肛門病会誌 60:708,2007
7)安齋ゆかり:下痢・便秘と食事.診断と治療 89:503-510,2001
8)織田敏彦,出村 博:ストレスと神経内分泌.日医師会誌 126:353-358,2001
9)平田雅彦:内痔核の手術率について.日本大腸肛門病会誌 57:628,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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