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文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻11号

2008年10月発行

文献概要

特集 肛門疾患診療のすべて 5.痔核 内痔核

内痔核の手術療法―インドシアニングリーン併用半導体レーザー治療の成績と今後の方向性

著者: 矢ヶ崎千良1 黒川彰夫2

所属機関: 1仁愛会茅根病院 2黒川梅田診療所

ページ範囲:P.137 - P.145

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要旨 インドシアニングリーンを痔核内に注入して805nm波長の半導体レーザーを照射する治療法は低侵襲である.レーザー光はICGに吸収されてブロックされるため,肛門括約筋に侵襲を与えず,痔核内の色素部分だけを焼灼・凝固できる.照射面はびらんを作るが潰瘍化や壊死化することはなく,2~4週の間には外観上,正常化する.本手術法による再発率は7.5%であった.しかし,Goligher分類でⅠ度程度の痔核が非再発例の約80%に認められた.安全性はきわめて高く,今日まで副作用の報告はみられていない.本稿では,当院で4年間に行った123例の半導体レーザー手術の再発率などを調べ,今後のICG併用半導体レーザーの方向性についての考察を述べた.

参考文献

1)鈴木博昭,日野昌力,林 琢也,他:ICG併用内視鏡的半導体レーザー治療早期胃癌および食道静脈瘤治療への応用.先端医療 5:46-48,1998
2)碓井芳樹:痔核の非観血的インドシアニングリーン併用による半導体レーザー治療 新しい痔核の治療.日本大腸肛門病会誌 54:921-925,2001
3)碓井芳樹.インドシアニングリーン併用による半導体レーザー治療.日本大腸肛門病会誌 56:815-818,2003
4)碓井芳樹:痔核に対する半導体レーザー法(ICG併用).臨外 59:893-898,2004
5)碓井芳樹:痔核に対する半導体レーザー法(ICG併用).臨外 61:385-390,2006
6)岩垂純一:痔核治療法の適応と限界.日本大腸肛門病会誌 56:785-790,2003
7)平田雅彦:この病気のココが知りたい消化器疾患編 肛門・直腸疾患 痔.調剤と情報 13:743-747,2007
8)東 光邦,草間 香:痔核に対するDay surgery.臨外 57:1497-1502,2002
9)東 光邦,草間 香:肛門疾患のday surgery.外科 65:759-765,2003
10)東 光邦,草間 香:内痔核に対する外来手術の実際―無床施設における.日本大腸肛門病会誌 57:899-902,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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