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文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻11号

2008年10月発行

文献概要

特集 肛門疾患診療のすべて 6.裂肛

裂肛の保存的治療

著者: 東光邦1

所属機関: 1東肛門科胃腸科クリニック

ページ範囲:P.169 - P.173

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要旨 裂肛はよくみられる痔疾患で,特に若い女性に多い.排便習慣や排便障害が原因になることが多いので,生活指導を行うなどの保存的治療が優先される.急性期・慢性期に分類すると,急性期は比較的早期に治癒するが,慢性期に移行して肛門狭窄や肛門ポリープなどを呈するようになると外科的治療が必要となることもある.通常の坐剤・軟膏だけでなくニトログリセリン軟膏,カルシウム拮抗剤,ボツリヌス菌毒素の局所投与などの新たな治療法が提示されているが,副作用などの問題もあり,裂肛の治療法としては確立していない.

参考文献

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2)Loder PB, Kamm MA, Nicholls RJ, et al:Reversible chemical sphincterotomy by local application of glyceryl trinitrate. Br J Surg 81:1386-1389, 1994
3)服部和伸,中島久幸:ニトログリセリン軟膏による裂肛の治療.臨外 52:521-523,1997
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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