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文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻11号

2008年10月発行

文献概要

特集 肛門疾患診療のすべて 7.肛門周囲膿瘍

肛門周囲膿瘍の診断と分類

著者: 後藤友彦12 栗原聰元3 新井賢一郎3 船橋公彦3 金子弘真3 寺本龍生45

所属機関: 1升谷医院 2東邦大学医学部医学科 3東邦大学医学部外科一般・消化器外科 4国際医療福祉大学 5順和会山王病院外科

ページ範囲:P.183 - P.189

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要旨 肛門周囲膿瘍は直腸肛門周囲に膿瘍を形成し,疼痛,腫脹,発赤,発熱を呈する疾患である.病態は,細菌が肛門陰窩から侵入し,肛門腺に感染して膿瘍が形成され(crypt-glandular infection theory),さらには直腸肛門周囲の間隙に炎症が急性に波及し膿瘍を形成するものである.診断には直腸肛門診(双指診)が最も有用である.CT,MRI,肛門エコーは補助診断として参考となる.疼痛が激しく直腸診ができない場合には,腰椎麻酔下に直腸肛門診,肛門エコーを行って診断することも必要である.膿瘍が形成された部位によって皮下膿瘍,粘膜下膿瘍,低位筋間膿瘍,高位筋間膿瘍,坐骨直腸窩膿瘍,骨盤直腸窩膿瘍と分類される.

参考文献

1)竹村 浩:痔核,痔瘻.安富正幸(編);外科Mook.18 痔核・痔瘻.金原出版,1981,pp122-130
2)Nesselrod JP:Pathogenesis of common anorectal infection. AmJ Surg 88:815-817, 1954
3)Parks AG, Gordon PH, Hardcastle JD:A classification of fistula-in-ano. Br J Surg 63:1-12, 1976
4)坂本 力,井本勝治,村上陽子,他:直腸,肛門のCT MRIの診断法.胃と腸 38:1263-1237,2003
5)寺本龍生,塩川洋之,船橋公彦,他:直腸肛門部の解剖.名川弘一(編);手術別冊最新アッペ・ヘモ・ヘルニア・下肢バリックスの手術.金原出版,2005,pp57-61
6)永澤康滋,吉雄敏文:肛門の構造と機能.消外 20:285-294,1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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