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文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻11号

2008年10月発行

文献概要

特集 肛門疾患診療のすべて 10.術後後遺症

術後肛門狭窄の診断と治療

著者: 彦坂興博1

所属機関: 1医療法人彦坂医院

ページ範囲:P.265 - P.270

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要旨 術後肛門狭窄は痔核手術後に多く,肛門上皮の過剰切除によるものが多い.この場合,狭窄はそれほど高度であることは少なく,保存的療法やブジーを術後早期から行えば軽快する.しかし狭窄が高度な場合は手術が必要となり,肛門後方で瘢痕切除して狭窄を解除し,切除部を上皮で被覆するSSG法が行われる.術式として確立されたSSG法であるが,長期経過でみると肛門縁に輪状瘢痕が生じ,これが術後愁訴のもとになったり,強度狭窄例では拡張効果も不十分なことがある.この問題を解決するために,複数箇所SSG法,Y-VまたはV-Y型肛門形成術などが行われて良好な結果となっている.

参考文献

1)Carmel AG:Modern surgical treatment of hemorrhoids and a new rectoplasty. Am J Surg 75:320-324, 1948
2)岩垂純一:その他の肛門疾患1 術後後遺症.実地医家に役立つ肛門疾患の知識.永井書店,大阪,1995,pp158-189
3)佐々木茂雄:肛門手術後の病態と治療.日本大腸肛門病会誌 36:584-590,1983
4)彦坂興博:肛門術後高度瘢痕狭窄に対する複数個所SSG法の長期成績.日本大腸肛門病会誌 60:709,2007
5)Sarner JB:Plastic relief of anal stenosis. Dis Colon Rectum 12:277-280, 1969
6)堤 修,辻仲康伸:裂肛に起因する肛門狭窄の診断と治療方針.消外 31:329-336,2008
7)吉岡和彦,米倉康博,岩本慈能,他:肛門手術の術後障害とその対策.外科治療 89:679-682,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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