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文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻11号

2008年10月発行

文献概要

特集 肛門疾患診療のすべて 16.肛門疾患と混同しやすい疾患

尖圭コンジローマ,真菌症,ヘルペスの診断と治療

著者: 藤好建史1

所属機関: 1藤好クリニック

ページ範囲:P.365 - P.371

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要旨 尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス(HPV)のなかの低リスク粘膜型HPVのうち6型,11型の感染で起こる.成人は通常性行為による直接感染が原因である.小児では親から感染することが多い.治療の原則は切除で,電気メスやレーザーが用いられる.肛門部の真菌症はカンジダ,特にCandida albicansによる感染症である.診断は水酸化カリウム標本で菌糸と桑の実状の胞子集団を発見することによる.治療は抗真菌剤と低強度のステロイド剤の等量の外用および局所の洗浄,乾燥を原則とする.肛門ヘルペスの診断は原則,水疱底の細胞搾過によるTzanck試験で巨細胞を発見することによる.成人の初感染は性感染である.

参考文献

1)江川清文(編著);カラーアトラス疣贅治療考―いぼ/コンジローマ/みずいぼ.医歯薬出版,2005
2)Buschke A, Lowens TL:Condyloma acuminatum. Klin Wochenschr 4:1726-1728, 1925
3)黒水丈次:尖圭コンジローマの診断,治療のコツと実際.臨外 62:1393-1395,2007
4)片山一朗,土田徹也,橋本隆,他(編);皮膚科学.文光堂,2006,pp667-669
5)二瓶義道:酢酸の細胞毒性に関する研究.日皮会誌 104:557-562,1994
6)玉置邦彦(編);最新皮膚科大系(第15巻).中山書店,2003,pp8-61

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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