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文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻12号

2008年11月発行

外科診療に潜むピットフォール―トラブル回避のためのリスクマネジメント講座・8

砕石位での手術後に発生した腓骨神経麻痺

著者: 山本貴章1

所属機関: 1東京海上日動メディカルサービス株式会社

ページ範囲:P.1579 - P.1582

文献概要

 外科領域では直腸癌の開腹手術や腹腔鏡下手術において砕石位で比較的長時間の手術が行われます.婦人科や泌尿器科でも同様に砕石位の手術はごく普通に行われています.術野の確保や手術操作のためには非常に優れた手術体位ではありますが,両下肢を挙上して固定するため,固定が外れて下肢が落下して骨折するなど事故が発生しやすい体位でもあり,十分慎重な体位設定が必要です.さらに,下肢を不自然な形で固定するため,圧迫による神経麻痺のトラブルが報告されていますが,意外にこの神経麻痺について気にとめていない外科系医師が多いようです.

 そこで,今回は直腸癌術後に発生した腓骨神経麻痺についてのトラブルを報告してみます.

参考文献

1)佐藤寿雄,西 満正,武藤輝一(編);消化器外科手術書.南江堂,1986,pp24-25
2)長野展久:プライマリケアのリスクマネジメント.ERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影)後の急性膵炎.JIM 15:340-344,2005
3)Warner MA, Martin JT, Schroeder DR, et al:Lower-extremity motor neuropathy associated with surgery performed on patients in a lithotomy position. Anesthesiology 81:6-12, 1994
4)萩原雅彦,横田 崇,鎌田竜彦,他:腹腔鏡下前立腺全摘除術に認められた総腓骨神経麻痺の1例.臨泌 56:439-441,2002
5)中戸川倫子,荒井郁子,山崎浩史,他:口腔癌再建術症例の術後合併症に関する検討.日口腔外会誌 50:529,2001
原審全部敗訴で控訴)
7)垣花 学,奥田佳朗:砕石位術後に右浅腓骨神経麻痺を来した1症例.日本麻酔科学会第47回大会,2000
8)三吉範克,藤原義之,瀧口修司,他:胃癌開腹手術後に四肢に一過性の神経麻痺を認めた2症例の検討.日消外会誌 37:500-505,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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