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文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻13号

2008年12月発行

文献概要

書評

小越和栄(著)「消化器内視鏡リスクマネージメント」

著者: 多田正大1

所属機関: 1多田消化器クリニック

ページ範囲:P.1758 - P.1758

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 繰り返される医療事故が社会的にも問題視され始めてから久しい.医療従事者が原因究明と事故防止に努めることは責務である.まして合併症や偶発症の危険性が少なくない消化器内視鏡診療において,普段からリスクマネジメントの在り方を考えておくことは重要である.その精神を理解することは正しい診断と安全な治療に直結し,偶発症発生の予防や,不幸にして事故が発生したときには患者の被害を最小限にとどめることにつながる.内視鏡医やコメディカルはリスクマネジメントを知らずして診療に携わることはできないと断言しても過言ではない.

 日本消化器内視鏡学会でも,各種委員会などにおいて安全な内視鏡診療の在り方に関する討論が繰り返され,必然的に様々なガイドラインが提案されてきた.本書の執筆者である小越和栄先生は常にこの方面の議論の中心にいる存在であり,さまざまな提案を行ってきた最大の功労者の1人である.小越先生は海外における内視鏡診療の現況と問題点を熟知し,わが国の医療水準と社会的ニーズなどの事情を考慮しながら,リスクマネジメントの概念の普及に尽力してきた先駆者である.私も学会リスクマネジメント委員会における報告書作成の場で小越先生の博学と篤い情熱を知り,教えられることが少なくなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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