icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻13号

2008年12月発行

外科診療に潜むピットフォール―トラブル回避のためのリスクマネジメント講座・9

X線でもわからない義歯の誤飲

著者: 山本貴章1

所属機関: 1東京海上日動メディカルサービス株式会社

ページ範囲:P.1759 - P.1762

文献概要

 異物誤飲,特に幼児や高齢者の異物誤飲には救急外来でしばしば遭遇しますが,本当に誤飲している場合もあれば勘違いで誤飲していない場合もあり,その見極めには慎重な対応が求められます.異物は魚骨,義歯,ボタン,針,貨幣,玩具,電池,もち,PTP(press-through-pack),歯科材料など多岐にわたり,PTPについてはPTP異物症が報告されて以降,最近では縦のミシン折り目がなくなって誤飲しにくいように工夫されていますが,それでも完全に誤飲を防ぐことはできません.異物を誤飲しても多くはそのまま排泄されますが,異物の形状や状態によっては生体を傷つけて感染や穿孔につながるケースもありますし,場合によっては窒息事故につながるケースもあります.今回は,X線写真撮影をしたにもかかわらず誤飲した義歯を発見できなかったために,患者が窒息死してしまった深刻なケースについて検討してみます.

参考文献

1)入れ歯誤飲見過ごし死亡,医師を書類送検.読売新聞,大阪,2007年12月6日夕刊
2)たかはま歯科医院:義歯誤嚥事故に学ぶ教訓.http//blog.livedoor.jp/dentist

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら