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文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻13号

2008年12月発行

文献概要

総説

大腿ヘルニア―特にその臨床解剖学的考察と外科治療

著者: 三毛牧夫1 加納宣康1 高賢樹1

所属機関: 1亀田総合病院外科

ページ範囲:P.1763 - P.1769

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はじめに

 大腿ヘルニア(以下,本疾患)は,鼠径ヘルニアについで外科医が日常的に治療に携わる腹壁ヘルニアの一種である.そしてその多くは非還納・絞扼の状態のため緊急手術が必要なことが多い1).さらに本疾患においては,手術中の腸管の状態によっては腸管切除も考慮されなくてはならない.したがって,手術戦略を練るうえでも手術前に確定診断がなされることが重要である.この部位は,局所解剖のみならず腹部臨床解剖すべてにとっての基礎となる要素を含んだ部分であることを理解するべきである.そこで今回われわれは,大腿ヘルニアの診断・解剖・治療のエッセンスについて記す.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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