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文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻13号

2008年12月発行

コーヒーブレイク

漢字に感じる

著者: 板野聡1

所属機関: 1寺田病院外科

ページ範囲:P.1776 - P.1776

文献概要

 日頃の臨床現場で多くの患者さん達に接していますと,目の前の仕事に押し流されて,個々の患者さんへの対応が疎かになりかねません.「なるほど忙しいと心が亡くなっていくものだ」と感じさせられ,初心を忘れるものだと反省することになります.また,重症の患者さんがいますと,その方の検査データの動きに右往左往することにもなりますが,検査結果の動きを眺めているうちに,「なるほど,上がって下がれば山を越し,それが峠を越すということか」と納得できることにもなります.

 人は夢を抱き,その実現のために努力をしますが,泡のように消えてしまうことのほうが多いようで,臨床医としては治って欲しいと願ってはみても,病気によっては難しく,また人の寿命には勝てません.「やはり人の夢は儚いものなのだ」と自分を慰めることになります.夢を実現するためには心に願うだけではなく,口に十回も出して願わなければならず,そうすれば叶うこともあるのかもしれません.しかし,口で言ってもそれが成らなければ,やはり誠を尽くしたとは思って貰えないのも医療者の辛いところではあります.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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