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文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻2号

2008年02月発行

文献概要

特集 安全な消化管器械吻合をめざして

腹腔鏡補助下幽門側胃切除術における小開腹Billroth Ⅰ 法器械再建術

著者: 吉川貴己1 土田知史1 長晴彦1 円谷彰1 小林理1

所属機関: 1神奈川県立がんセンター消化器外科

ページ範囲:P.189 - P.193

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要旨:当科では,郭清はすべて腹腔鏡下に行い,小開腹下にBillroth Ⅰ器械吻合を行っている.本再建方法を安全に施行するためには,十二指腸を切離することなく,十二指腸と胃を無理なく安全に上腹部の小開腹創より挙上させることにある.十二指腸周囲の遊離と#6,#5リンパ節の郭清,および十二指腸の血流維持が重要となる.また,胃の挙上においては胃の後側の癒着剝離と短胃動静脈の処理,温存が重要となる.腹腔鏡下で十二指腸切離を先行しないことによる#7,#8a,#9リンパ節郭清における視野は,サージカルアームで固定したスネークリトラクターによる肝臓左葉の圧排,胃膵ヒダの腹側への牽引,胃または膵臓の下側への牽引によって得られる.小開腹創からの器械吻合では,特にサーキュラーステイプラーのサイズと使用方法が重要となる.

参考文献

1)小林 理,奥川 保,円谷 彰,他:幽門側胃切除後の器械吻合によるBillrothⅠ法再建術.手術49:651-655,1995
2)小林 理,本橋久彦:胃切除後,逆流性食道炎を防ぐ工夫―幽門側胃切除後の器械によるBillrothⅠ法再建術.手術51:1337-1344,1997
3)Aiko T, Sasako M:The new Japanese classification of gastric carcinoma:Points to be revised. Gastric Cancer 1:25-30, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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