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文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻2号

2008年02月発行

文献概要

特集 安全な消化管器械吻合をめざして

大腸手術におけるfunctional end-to-end anastomosisの工夫

著者: 河原秀次郎1 小村伸朗1 矢永勝彦2

所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属柏病院外科 2東京慈恵会医科大学外科

ページ範囲:P.229 - P.233

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要旨:従来の自動縫合器を用いた機能的端々吻合は,その手技上,左側結腸から直腸の病変に対する手術には用いることができなかった.われわれは,口側および肛側腸管をそれぞれ反対側方向にスライドさせて側々吻合することで,右側結腸だけでなく左側結腸から上部直腸の病変に対しても自動縫合器を用いた機能的端々吻合が行えるSFEEAを考案した.開腹による高位前方切除術74例でSFEEAとDSTを比較すると,SFEEA群がDST群より有意に手術時間が短く,術後合併症,術後吻合部再発はみられなかった.よって,S状結腸から上部直腸の病変に対する手術においてDSTに代わる再建法としてその汎用が期待される.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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