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臨床外科交見室
(続)清潔・不潔の概念の見直しについて―滅菌・清潔・不潔の3分類の提唱
著者: 岡崎誠1
所属機関: 1市立伊丹病院外科
ページ範囲:P.253 - P.253
文献購入ページに移動【はじめに】
以前に,従来の外科的な清潔・不潔の概念の見直しが必要であるということを述べた1).これは最近になって,従来から言われてきた感染対策が見直されてきたことや創処置の方法が変化してきたことが大きな要因である.具体的には,手術前における手洗い法の変化や創処置の変遷である.すなわち,創傷処置には消毒剤や滅菌ガーゼは不要で,創傷治療の原則は傷を乾かしてなおすのではなく,異物を除去したのちに創傷被覆材を用いて適度な湿潤環境を保つこと,すなわち湿潤療法の広がりである2,3).
しかし一方では,いまだに医療現場では消毒あるいは滅菌に対して強い信仰があり,現場を混乱させていることも事実である.
以前に,従来の外科的な清潔・不潔の概念の見直しが必要であるということを述べた1).これは最近になって,従来から言われてきた感染対策が見直されてきたことや創処置の方法が変化してきたことが大きな要因である.具体的には,手術前における手洗い法の変化や創処置の変遷である.すなわち,創傷処置には消毒剤や滅菌ガーゼは不要で,創傷治療の原則は傷を乾かしてなおすのではなく,異物を除去したのちに創傷被覆材を用いて適度な湿潤環境を保つこと,すなわち湿潤療法の広がりである2,3).
しかし一方では,いまだに医療現場では消毒あるいは滅菌に対して強い信仰があり,現場を混乱させていることも事実である.
参考文献
1)岡崎 誠:いわゆる外科的清潔・不潔の概念の見直しについて.臨外61:222,2006
2)岡崎 誠:現在行われている外科的消毒.臨外60:634-635,2005
3)岡崎 誠:一般外科外来に消毒剤および滅菌ガーゼは不要である.日外感染症会誌3:535-539,2006
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