icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻2号

2008年02月発行

文献概要

臨床研究

術中DICと順行性腹腔鏡下胆囊摘出術を利用した術中胆管損傷回避の工夫

著者: 盛真一郎1 實操二1 飯野聡1 今村博1 田辺元1 愛甲孝2

所属機関: 1阿久根市民病院消化器病センター 2鹿児島大学大学院腫瘍制御学・消化器外科

ページ範囲:P.255 - P.257

文献購入ページに移動
はじめに

 腹腔鏡下胆囊摘出術(laparoscopic cholecystectomy:以下,LC)は低侵襲性から胆囊摘出の標準術式になり,その適応は急性胆囊炎,高度の炎症症例まで拡大してきている1~4).しかしながら合併症も多く報告されており,胆管損傷の頻度は0.7%と少なくない2,5).一方,高木ら6~8)は順行性胆囊摘出術(以下,dome down LC)は安全な胆囊管処理が可能であることから,手術困難な症例においても胆道損傷の危険性がきわめて低いと報告している.

 今回,われわれは当院で行われている術中の経静脈胆道造影(drip infusion cholangiography:以下,術中DIC)とdome down LCを組み合わせ,胆囊管を同定・切離する方法が胆管損傷の回避に有用であるか検討した.

参考文献

1)小田 斉,中村光成,植木敏幸,他:腹腔鏡下胆囊摘出術の現状と問題点.臨外57:1371-1375,2002
2)荒巻政憲,北野正剛:良性胆道疾患手術の合併症―最近の傾向.外科治療85:1-5,2001
3)沖野哲也,土井康郎,田中 洋,他:急性胆囊炎の腹腔鏡下早期手術―開腹手術と比較して.日内視鏡外会誌11:373-379,2006
4)真栄城剛,梅北信孝:急性胆囊炎に対する腹腔鏡下胆囊摘出術―早期手術の立場から.日内視鏡外会誌11:367-372,2006
5)坂部龍太郎,佐伯修二,多幾山渉,他:腹腔鏡下胆囊摘出術における胆管損傷例の検討.日内視鏡外会誌10:653-657,2005
6)高木純人,金子弘真,柴 忠明:超音波凝固切開装置を用いた順行性腹腔鏡下胆囊摘出術.東邦医会誌51:117-120,2004
7)高木純人,金子弘真,柴 忠明:順行性胆囊摘出術.消外26:1639-1646,2003
8)高木純人,金子弘真,田村 晃,他:腹腔鏡下胆囊摘出術の胆道損傷による再手術症例の検討―特に損傷パターンからみたdome-down laparoscopic cholecystectomyの有用性について.胆と膵24:775-779,2003
9)徳村弘実,力山敏樹,原田伸彦,他:腹腔鏡下胆道手術の現況と問題点.日外会誌103:737-741,2002
10)齋藤克憲,橋田秀明,岩代 望,他:腹腔鏡下胆囊摘出術の問題点―特に胆管損傷の発生要因について.日内視鏡外会誌11:281-286,2006
11)植木敏幸,佐田正之,小田 斉,他:腹腔鏡下胆囊摘出術を安全に行うために.臨外59:681-685,2004
12)城田哲哉,土師誠二,山崎満夫,他:腹腔鏡下胆囊摘出術における術中胆管損傷に対する予防と対処法.日内視鏡外会誌10:101-105,2005
13)中川国利,遠藤公人,鈴木幸正:腹腔鏡下胆囊摘出術における胆囊管走行異常例の検討.日内視鏡外会誌9:427-432,2004
14)石川浩一,有田 毅,下田勝広,他:間欠的下肢加圧装置を使用した腹腔鏡下胆囊摘出術後に発症した肺塞栓症の1例.日内視鏡外会誌9:167-173,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?