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文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻2号

2008年02月発行

文献概要

臨床報告・1

大腸癌術後小腸転移巣を切除し5年生存を得た1例

著者: 青柳信嘉1 坂田宏樹1 石田剛2

所属機関: 1国立精神・神経センター国府台病院外科 2国立精神・神経センター国府台病院病理

ページ範囲:P.277 - P.280

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はじめに

 近年,大腸癌はその遠隔転移巣に対する積極的な外科切除により生存率,生存期間が向上しつつある1).しかしながら,切除対象となる遠隔転移巣のほとんどは肝・肺転移である.

 今回,われわれは大腸癌術後の孤立性小腸転移巣を切除し,5年無再発生存を得た.大腸癌術後の小腸転移巣に対する切除,治癒例はきわめて稀であり,文献的考察を加えて報告する.

参考文献

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10)牛尾恭輔,石川 勉,宮川国久,他:転移性小腸腫瘍のX線診断.胃と腸27:793-804,1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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