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文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻5号

2008年05月発行

文献概要

特集 胆道癌外科診療を支えるエキスパートテクニック

体外式超音波のコツ

著者: 山口高史1 鈴木裕1 阿部展次1 森秀明2 杉山政則1 跡見裕1

所属機関: 1杏林大学医学部消化器外科 2杏林大学医学部消化器内科

ページ範囲:P.595 - P.600

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要旨:「エビデンスに基づいた胆道癌診療ガイドライン」では,体外式超音波の位置づけを診断のファーストステップになり得るとしている.胆道癌を疑った場合は,画像診断として最初に腹部超音波検査を行うとされているが,スクリーニング検査としての有効性は確立されていない.外科領域における三次元的進展度を正確に捉えることにおいては,multidetecter-row CT(MD-CT)などのテクノロジーの進歩が著しいが,一般にはいまだ普及していない.しかし,体外式超音波での性状診断や深達度診断において様々な手法が開発されてきており,有用性も報告されている.本稿では日常診療において体外式超音波を有効に用いるために,それらの手法や疾患における特徴を述べた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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