icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻5号

2008年05月発行

文献概要

臨床報告

魚骨穿通による腹壁膿瘍に対して腹腔鏡補助下異物除去術を施行した1例

著者: 熊野公束1 佐藤功2 水谷真3 松田高幸3 高尾信行3 藤村昌樹2

所属機関: 1喜馬病院内視鏡外科センター 2第一東和会病院外科 3草津総合病院外科

ページ範囲:P.737 - P.740

文献購入ページに移動
はじめに

 誤飲された魚骨の多くは自然に排泄され,消化管穿孔などの合併症を起こす頻度は1%以下とされている1).しかし,有症状化すると消化管穿孔や腹腔内膿瘍をきたし,多くは外科的治療を必要とする.

 今回,われわれは誤飲された魚骨が小腸間膜に穿通して腹壁膿瘍をきたした症例に対し腹腔鏡下手術を施行した1例を経験したので報告する.

参考文献

1)Gracia C, Frey CF, Bodai BI:Diagnosis and management of ingested foreign bodies:a ten-year experience. Ann Emmerg Med 13:30-34, 1984
2)堀 堅造,東 龍男,金只賢治,他:消化管症候群.日本臨牀別冊領域別症候群6:157-159,1994
3)葉 季久雄,井上 聡,渡辺靖夫,他:術前に診断しえた魚骨による回腸穿孔の1治験例―過去10年間の魚骨による消化管穿孔271例の分析.日消外会誌34:1640-1644,2001
4)木内俊一郎,森河内 豊,滝 吉郎,他:誤飲した魚骨により腹壁膿瘍をきたした1例.臨外58:251-253,2003
5)吉光 裕,安田雅美,天谷公司,他:保存的に治癒した魚骨の消化管穿孔による腹腔内膿瘍の1例.臨外56:1561-1564,2001
6)圑野克樹,福島幸男:術前にCTで診断できた,魚骨による下行結腸穿通の1例.日腹部救急医会誌24:1179-1182,2004
7)文元雄一,井上善文,吉川幸伸,他:CT検査により術前診断しえた魚骨による十二指腸穿通の1例.手術58:1217-1219,2004
8)森山初男,徳石恵太,田中栄一,他:保存的治療で改善した横行結腸魚骨穿通の1例.日本大腸肛門病会誌59:135-138,2006
9)宮澤智徳,富田 広,牧野春彦:保存的治療を施行した魚骨による小腸穿通の1例.日臨外会誌66:1918-1921,2005
10)永井健一,村田幸平,瀬下 巌,他:魚骨の胃穿通に対して腹腔鏡下異物除去術を施行した1例.日鏡外会誌12:391-395,2007
11)熊野公束,藤村昌樹,松田高幸,他:腹腔鏡補助下に切除しえた小腸血管腫の2例.日鏡外会誌11:307-312,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?