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文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻7号

2008年07月発行

文献概要

特集 実践に必要な術後創の管理

感染創の交差感染対策―手指消毒,手袋・ガウン・マスクの適応,個室管理

著者: 有馬陽一1 炭山嘉伸1

所属機関: 1東邦大学医学部外科学第三講座

ページ範囲:P.951 - P.956

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要旨:感染創の処置にあたっては交差感染防止に努める必要がある.病棟処置時における院内感染対策のうえで重要なポイントは「無菌法・清潔操作の徹底」と「スタンダード・プリコーションの遵守」で,なかでも特に重要視したいのは,手洗いの励行と手袋の使用である.また,スタッフの「清潔側」と「不潔側」の分離が重要である.隔離は交差感染対策上,有効な手段であるが,必ずしも隔離=個室収容ではない.感染源や廃棄物の部分隔離,すなわちカーテンで仕切ったり,あるいは血液・体液・分泌物・排泄物のしぶきや飛沫が生じるケアや処置のときにはガウンやマスクを着用したりすることも有効である.さらに,病棟における処置手順は具体的なマニュアル化で教育効果を高めることができる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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