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文献詳細

雑誌文献

臨床外科63巻7号

2008年07月発行

文献概要

臨床研究

下肢急性血栓塞栓症患者の来院時CK(creatine kinase)値と予後に関する検討

著者: 保科克行1 大島哲1

所属機関: 1東京都立府中病院外科

ページ範囲:P.977 - P.982

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はじめに

 急性下肢血栓塞栓症の治療についてはTransAtlantic Inter-Society Consensus(TASC)における分類とアルゴリズムが提示されているが1),現実には重症度の評価と迅速な治療法決定が困難であることが多い.全身状態や合併症の有無,社会的適応によって治療方針も大きく変わる.われわれが指標とする検査値のうちcreatine kinase(以下,CK)値は虚血の急性期反応を反映し,スクリーニング緊急検査項目に入っていることが多い.しかし,CK値は閉塞の時間経過や病態,心疾患の有無,筋量などによって大きく左右されるため,治療指針の参考程度にされているのも現状である.

 本稿では,下肢急性血栓塞栓症患者の64症例を発症からの時間で比較し,体重で補正したCK値で予後を比較・検討した.

参考文献

1)Dormandy JA, Rutherford RB:Management of peripheral arterial disease(PAD). TASK Working Group. TransAtlantic Inter-Society Consensus(TASC). J Vasc Surg 31:S1-S276(1 Pt 2), 2000
2)岩井武尚,佐藤彰治,山田武男,他:上肢虚血性病変に対する臨床的ならびに解剖学的検討.日臨外会誌 45:1653-1658,1984
3)中澤 達,山本晃太,宮原拓也,他:四肢の急性血栓塞栓症に対する治療.脈管学 43:219-223,2003
4)Currie IS, Wakelin SJ, Lee AJ, et al:Plasma creatine kinase indicates major amputation or limb preservation in acute lower limb ischemia. J Vasc Surg 45:733-739, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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